
森友vol.18 株式会社迫田興産(鹿児島県)_2026年11月発刊
有限会社寿園が所在する真庭市は、岡山県の北部で中国山地のほぼ中央に位置してお り、北は鳥取県に接し、総面積828平方kmと県下最大の面積を有する自治体である。そのうち森林面積は65422ha(林野率約79%)を占め、その多くは民有林であり、樹種としてはヒノキの割合が高い地域である。
梶岡家は、もともと明治時代から茶づくりを家業とし、山間地域ならではの自然環境を生かし、夏は茶葉の生産、冬は薪や炭づくりを生業としてきた。大正9年の創業以来、真庭市で茶業と林業を営む有限会社寿園は、昭和5年には地域でもいち早く製茶機械を導入。当時としては珍しかった発動機を活用し、製茶工程の機械化を実現した。機械好きだった先代の挑戦心が、現在までも続く「新しい技術を積極的に取り入れる企業文化」の原点となっている。
現在、三代目社長として経営を担われている梶岡泰士代表取締役にお話を伺った。
「私が21歳の時、実家の工場が火事で焼失し、家業を立て直す手伝いをするべく大学卒業後、帰郷して家業に従事することにしました。当時は木材価格が高く、自社所有林の整備が中心でしたが、その後木材価格が大きく下落し、従来のやり方では利益を確保することが難しくなってきました。そのため林業の機械化と効率化に本格的に取り組む必要にせまられました。とりあえず中古のグラップルなどを導入して作業効率の向上に取り組みましたが、大きな転機となったのはKESLAのハーベスタを導入したことです。軽量でストローク性能が高く、ヒノキの枝払い作業でも非常に使いやすかったことを覚えています。その後、フォワーダやプロセッサなども順次導入し、現在では住友建機製を中心に多くの機械が現場で稼働しています。

私の入社当初は数名だった林業部門も、現在では約10名体制に拡大しました。事業範囲も自社所有林だけでなく、民有林や公共事業まで広がり、素材生産量も大幅に増加しています。高性能林業機械への積極的な投資は必要であり効果が高かったと思っています。住友機は、静粛性、燃費、耐久性のバランスが非常に優れていると思います。特に燃費性能については同じ仕事量でも他社機より燃料消費が少なく、長期的なコスト削減効果は大きいですね。また、油圧制御や配管設計が丁寧で、無理のない動きを実現している点も住友機を信頼できる理由です。さらに、現場の意見を真摯に受け止め、製品へ反映してくれるメーカーとして営業・サービス体制が優れていると感じています。機械は導入して終わりではなく、長く安心して使い続けられることが重要です。その点でも住友建機は信頼できるパートナーだと思っています。
一方、最近の林業を取り巻く環境は大きく変化していて、それに対応することが必要です。木材価格の低迷、人材不足、森林の高齢級化、獣害への対応など課題は山積しています。しかし、バイオマス発電所の稼働によって未利用材の需要が高まり、これまで価値を生まなかった木材にも新たな役割が生まれてきました。また、ドローンなどICT技術の活用も進めながら、より効率的な森林管理へ挑戦することが重要だと思っています。
そして私が会社経営をしていく上で、最も大切なのは従業員が安心して長く働ける会社づくりと、林業は危険と隣り合わせの仕事だからこそ、安全第一を徹底することが何より重要で、事故防止を最優先に現場運営を行っています。また、先代から経営理念として、お客様、生産者、製材所、地域社会のすべてが利益を得られる「三方良し」の考え方を受け継いできています。感謝される仕事を積み重ね、100年先も地域に必要とされる会社でありたいと願っています。」

最後に社長が締めくくられたその言葉には地域産業を支え続けてきた百年企業としての誇りと責任、そして未来への強い決意が込められていた。
引用: 森友vol.18(2026年11月発刊)

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