
住友建機リサイクル紀行_2025年発刊
株式会社岡本が所在する近江八幡市は、滋賀県中部琵琶湖の東岸に位置し、織田信長が築いた安土城と近江商人発祥の地として知られている。市域は全般に平坦な地形で小高い山が点在するだけで、林業に適した地域とは思えなかった。近江八幡市で滋賀県に林業事業体として登録されているのは、今日お伺いする株式会社岡本1 社だけとの事。
余談になるが、住友第二代総理事、伊庭 貞剛も近江八幡の出身である。 伊庭は、明治時代に日本の近代化、工業の発展に伴う公害問題解決のための責任者として本社から愛媛に派遣された。彼は、住友新居浜精錬所の煙害で枯れた山林や別子銅山の開発で荒れるがままになっていた山林を見て、企業の社会的責任として、もとの青々とした大自然にかえさねばならないと痛感し、植林などの環境復元に努めることになる。数年でその責務を果たし、永続的な山林の管理を目的として現在の住友林業を設立した。今回住友の林業史の最初のページを記した人物の誕生地を訪れることは感慨深いものがある。

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最初に代表取締役岡本孝之氏に会社の沿革などをお話しいただいた。
「2008年に造園土木を主な業務として独立開業しました。 林業に携わるきっかけは、 2009年に知り合いに誘われて森林整備の仕事を手伝い始めたことで、序々に移行しました。 当時は林業の変革期で素材生産や作業道の作設など、重機を使う必要があったのですが、このあたりで林業をされていた方で重機を扱える人が少なかったため、造園土木の仕事で重機を扱っていた技術と経験を持つ私が重宝がられたのだと思っています。
2020年に法人設立をしました。業務内容は、国有林の入札がメインで、申請は北海道以外のすべての地域に出しています。今日までの施業範囲は、東は関東圏まで、西は中国地方までです。滋賀県は国有林が少ないので、ためらいなく外に出ていけることが弊社の強みだと思っています。仕事の内訳は、造園土木の仕事もしますが、林業仕事が多くを占めています。委託業務が多いので、自社での素材生産量は3,000㎥程度です。雇用や業績の安定のためにも将来的には立木の買取や自社山の所有を考えています。
社員数は、私や事務、現場作業の人員を併せて14名の在籍になります。その年齢構成は、最年長65歳、最年少16歳、平均年齢は37~38歳くらいです。それとは別に、今年の7月にネパールから2名、外国人技能実習生を受け入れる予定です。社員への新しい刺激になれば良いなと考え、ネパールへ面接に行き採用してきました。彼らが来るのが楽しみです。」引用: 森友vol.17(2025年10月発刊)
高性能林業機は、新車で導入したSH75X-7を含めてショベル系は7台所有していま す。機械に対する要望は特にありません。前回導入したSH75X-6Aもそうですが、住友の機械には満足しています。
作業形式については、従来の概念を壊すこと、今まで習ってきたことや地域地域で縛られてきたことが本当に効率的で今の林業にも通用しているのかと、経験や地域における固定観念を見直すところから始めている気がします。地域によって設計の仕様が違うことが多々あります。
弊社内でも世代間で物の見え方考え方が違います。私自身が違和感を感じて、例えば若い社員の考えを頭ごなしに否定するのではなく、柔軟に受け止め考察することが重要だと思っています。 将来的な目標は、生涯現役でいつまでも若い世代と張り合っていたいと思う反面、次世代そしてまたその次の世代の礎になれればというのが、私の思いです。


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