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森友vol.03 上野物産株式会社(鹿児島県)_2011年11月発刊

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森友vol.03 上野物産株式会社(鹿児島県)_2011年11月発刊
SH75X-3B(KESLA 20SH)

上野物産株式会社

企業として確固たる基盤を構築し、
民有林事業へ他の事業体に先駆けて参入。

 

家業を守るため、 多角的な森林事業を推進

祖父の代から、主に炭の生産販売を九州一 円で行っていた林業一家に生を受けた現・ 上野社長は、平成元年に家業を継ぐために上野物産へ入社。親子二人三脚の経営が7年間続き、平成8年に代表取締役へ就任し た。当時、決して順調とはいえなかった経営状況を改善するために取り組んだのは、森林 事業に関するさまざまな事業の受注に向けた営業活動であった。上野社長は大学院卒業後、知人と工業デザ インの会社を設立した。しかし、ちょうど30歳 を迎えた年に林業の低迷にともない家業を 守るためデザイン会社を知人に任せて帰省。その後は国有林生産事業、造林事業、 海岸松林の衛生伐など、森林におけるさまざまな事業を受注できるよう会社の技術力・組織力の改善を図りつつ、デザイン会社時代に培った営業力をいかんなく発揮した。

森友3-1_上野物産株式会社 地図.jpg
鹿児島県肝属郡肝属町

「企業がおこなう林業」で
イメージアップ戦略を図る

「優秀な人材を確保するためには『暗い林業』や『林家さんの林業』ではなく、『企業が行う林業』いわゆる『機械化システムの林業』を私は目指したいと思いました。子供たちがあこがれる、カッコいい林業をね」。そう語る上野社長は、企業として地域社会へ出て社会貢献を行う森林ボランティア活動にも取り組んだ。小学校の子供たちと一緒に森林に巣箱を設置したり、森林レクレーションやゴミ拾い、間伐の実演などを行い、森林の魅力や森林技術への理解を広めつつ、企業のイメージアップを図った。 一方、実務の面では平成10年から12年にか けてグラップルソーなどの林業機械を自力で 導入し、平成13年には県有林の事業にも参加。「国有林、県有林、市町村有林の森林事業を行うためには、質の高い技術力はもちろん、安全衛生管理をきちんと行える会社でなくてはなりません。そのような、知識と、指導力が必要なんです」。平成14年度からは 「緑の雇用制度」として国策による担い手の育成が始まると、積極的に緑の雇用に取 り組み、人材の育成に努力した。「当初はコストばかりかかってしまい育っては辞めての 繰り返しでしたが、辛抱強く担い手の育成に取り組んで10年。 今では若手で事 業班を組織することができるようになりました」。現在では国立大学卒 の人材が森林の調査や国有林事 業を管理し、森林施業プランナーとして民有林の集約にも活躍している。

3-1 人
上野豊社長

生産量の拡大を見据え、 機械化の推進を積極的に展開

機械化、IT化、組織化――従来の林業を多角的に改革し続けてきた上野物産。生産量の 拡大においては、ストローク式ハーベスタが大きく貢献しているという。「2011年9月に導入したSH75X-3B KESLA20SHは、誰が乗っても確実に枝払いが行える。測尺の正確性も優れていますね」とは、オペレーションを担当する井之上さん。林業歴15年のベテランで機械操作もピカイチだ。上野社長も「構造的に大きな故障が起きにくそうで安心できます」と信頼を寄せる。3年前は約3㎥だった一人あたりの生産性は、現在では約7㎥という勢いで拡大。「地域の森林の現況を考えれば、大径木を処理するもう一回り大きなKESLAが必要になるでしょうね」と、改革の夢はまだまだ終わらない。

引用: 森友vol.3(2011年11月)

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森友3-2_木材商秋田林業 機械.jpg
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