住友建機リサイクル紀行_2023年発刊
住友建機製の金属リサイクル機械を導入頂いているお客様をご紹介いたします。
リサイクル事業において2023年は法令を守り周辺環境に配慮した「適正ヤードの運用」が大きなテーマとなった。特に千葉県は千葉市や袖ケ浦市が独自のヤード規制条例を制定しており、2024年4月には都道 府県単位で全国初となる金属ヤード等規制条例が施行するなど、自治体の取り組みも活発だ。今回は千葉県の中西部で金属スクラップ事業を展開する福 (千葉県市原市、牛思博社長)を訪ね、同社の事業や展望を聞いた。
福は全国で資源リサイクル事業を展開する錦麒産業グループ(本社=大阪府泉大津市、斉浩社長)における関東初の本格事業所として、2012年に設立した比較的新しい事業者だ。設立から10年余りで鉄スクラップの年間扱い量12万㌧、年商118億円規模の企業に急成長している。
設立当初は現物のみの商売を続けていたが、近年はベトナムや台湾をはじめ、今後も成長が期待される東南アジア諸国に向けた貿易事業にも力を入れている。
自らも重機を操作する牛社長は、機械性能、アフターサービス、営業対応のいずれにおいても住友建機のパフォーマンスを高く評価する。使用するSH250-7MHについては「長時間作業すると一目瞭然だ」と語る。 重量物の扱いが多い福の工場では、重機オペレータが受ける衝撃も大きく、作業上の僅かなストレスの蓄積が1日間で膨大なものになるという。1日の仕事を終えて取材に応じた牛社長はこの疲労の蓄積具合が、住友建機のマシンは圧倒的に少ないと指摘する。直感的な操作性やシート設計といった性能の組み合わせがオペレータへのダメージ軽減において、プラスとなる相乗効果を発揮しているとみられる。故障の少なさも住友建機を支持する大きなポイントだ。万が一トラブルが生じた際にも迅速なアフターサービスへの信頼度が高い。福と住友建機のタッグは万全だ。
福の工場では主力の荷役重機として3機のSH250-7MHを導入している。油圧シャーへの投入やトレーラーへの積み込みといった各現場での働きぶりは定評があり、新機の投入も期待が高まっている。
住友建機リサイクル紀行 Vol.36はこちらから神奈川県の中央部に位置する綾瀬市は、南部に東海道新幹線が貫き、北東部には厚木基地を構える。緑が豊かでドラマなどのロケ地に選定されること も多い。特徴的なのが県内の市で唯一、鉄道の駅が無いことだ。しかし、地元の人がどこか誇らしげに「駅なし」を語るほど車でのアクセスは良く、隣接する市には主要駅が点在する。1970年代には工業団地が整備され製造業の移転が進んだ。市内の吉岡工業団地に3拠点を持ち、独自の金属リサイクル事業を展開する山勝(本社=綾瀬市吉岡東、山中大樹社長)を訪れた。
山勝では月間4000~5000㌧の鉄スクラップを取り扱っている。このうちの大半を新断やダライ粉、機械類などの工場発生品が占める。複数の工業団地を有する綾瀬市は、ものづくりの街でもある。隣接する藤沢市には商用自動車の大手メーカーが主力工場を構え、関連工場などでも加工スクラップが発生する。老廃スクラップは綾瀬市周辺の発生品を中心に、国内最大の人口を有する横浜市も集 荷圏に入る。山勝では工場に集まる多種多様な鉄スクラップを油圧シャー(2基)やプレス機などの処理機を用いながら製鋼原料に加工して、域内の電炉メーカーやシッパー に供給している。
山勝の工場で稼働する5機の建設機械は全てが住友建機製となっている。昨年に同社で最大の「SH330LC-7MH」 を導入。今年2月には鉄スクラップを扱う第1工場に小旋回型の「SH235XLC-7EC」 を導入した。 戸井田工場長は住友建機について「率直に言って、金属リサイクル機では後発のイメージがあったが、却ってその点が良かった」と話す。世界一の金属リサイクル機をつくるという住友建機の姿勢を、シンプルかつ機能的に設計された機械や営業のスタ ンスから感じ取った。 導入後のメンテナンス面も評価しており「綾瀬市内にある神奈川支店のスタッフが気にかけてくれる。これは非常にありがたい」という。2013年4月に導入した「SH330LC- 3BHM」は稼働時間が2万5000時間に達したが、現在も油圧シャーに母材を投入する現場で山勝の戦力として活躍している。
切断圧1250㌧の油圧シャーを設置し ている第3工場では、重量物を含む様々な鉄スクラップを集荷している。 2023年7月にSH330LC-7MHが加わり、 効率性を追求する工場の運用に貢献している。
住友建機リサイクル紀行 Vol.37はこちらから愛知県東三河地区の中核都市・豊橋市の西南部に位置する豊橋港は、三河港の1港区として自動車や鋼材などの荷役が活発に行われている。鉄スク ラップの海上輸送も盛んで、輸出量は中部地区において衣浦港に次ぐ規模を誇る。また、近隣には電炉メーカーが主力工場を構えており、全国から鉄スクラップが輸送されてくる地域でもある。豊橋港で鉄スクラップなどの荷役事業を行う豊橋埠頭(本社=豊橋市神野ふ頭町、石川昌司社長)を訪れた。
豊橋埠頭は1970年8月 に豊橋商工会議所の会員を中心に創立した。港湾荷役、倉庫、セメントセンターの運営を中心にモータープールや通関事業など、港湾に関わる各種事業を手掛けている。 港湾荷役事業が扱う貨物の およそ3割を占める鉄スクラップは「神野ふ頭」(1隻あたりの最大積載量6000 ~6500㌧) と「船渡ふ 頭」(同3000㌧)でバルク船の船積みや荷下ろし、コンテナへのバンニング作業を行うほか、船渡ふ頭では5区画8事業者のストックヤードを管理・運用している。現在の鉄スクラップの取扱い量は月間およそ1万㌧~1万5000㌧。三河から浜松エリアを中心に一部は静岡県東部や長野県、山梨県からもスクラップが集まる。
豊橋埠頭における鉄スクラップ荷役能力の高さを説明する石川社長は、現場の技術の高さとともに、使用する機械とメンテナンスの良さを強調する。作業員の技術、機械性能、 整備力のいずれが欠けても、質の高いレベルの港湾荷役を実現することはできない。 機械販売とメンテナンスを手掛けるブルドーザー整備(本社=愛知県豊川市)の森太郎社長は「いざトラブルが発生した際、いかに短時間でお客さまの作業を再開できるかを常に意識している」と 会社の姿勢を示す。 豊橋埠頭の壁谷課長は住友建機のマシンについて「操作性も良く、パワフルでマグネットの付きが良い。今では住友建機以外は考えられない」と評価する。その評価は、豊橋港のスクラップヤードを訪れると一目瞭然だ。今や周辺の同業者を含む全ての建設機械が住友建機製になっている。 20年ほど前には豊橋港に住友建機のマシンは1機も無かった。2000年代後半に豊橋埠頭が初めてSH330LC-3BMHを導入すると、壁谷氏は同業者に住友建機を強く勧め、周辺でも一気に導入が広がった。良い技術、良い機械、良いメンテナンスが豊橋港の荷役能力を支えている。
2024年6月現在、豊橋埠頭では計8機の住友建機製荷役マシンが稼働している。取材日直前の5月27日には船渡ふ頭(豊橋市明海町)のストックヤードに「SH330LC-7MH」を迎え入れた。
住友建機リサイクル紀行 Vol.38はこちらから愛知県の東三河南部に位置する豊橋市は、東海道と豊川水運が交差する交通の要衡だ。市名も豊川に掛かる橋名が由来となっている。江戸時代は吉田 藩の城下町や東海道の宿場町、水運の拠点で栄え、明治以降は「軍都豊橋」と称されるほど軍事産業で繁栄したという。豊橋市と豊川市に計4工場を構え、静岡県浜松市のグループ企業を併せた5拠点で金属を中心としたリサイ クル事業を行う紅久(本社=豊橋市神野新田町、三浦裕司社長)を訪れた。
紅久の歴史は、時代に対応する変化を重ねたものだ。創業は江戸時代の1700年代初期(享保年間)で紅花商として始まった。1775年 (安永4年)に吉田藩より紅花商御用商人の営業許可を取得。以来、七代にわたり「紅屋久兵衛」を襲名し、藩御用達の紅花製品を販売していた。大きな変革点が1902年(明治35年)に八代目当主・三浦多吉氏が業種変更を決断したことだ。明治維新による 幕藩体制の崩壊や化学染料の普及により本業の紅花業が衰退をたどる中で、金属リサイクルに業を転換。屋号を紅屋久兵衛にちなみ「紅久」とした。当時は新政府軍の兵舎が設置されるなど、豊橋が軍都として発展する黎明期だ。金属リサイクル業への進出について三浦社長は「軍事産業の発展で金属リサイクルの重要性が増したことも背景にあったのではないか」という。
「社員の家族が誇れる企業にしたい」(三浦社長)と、いち早くから5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を徹底してきた紅久の工場では、 住友建機のマシンも定期的な掃除を行っており、塗装カラーを鮮やかに保っている。山崎常務は「機械を大切にすることで、現場スタッフの意識に大きな違いが生まれる。安全面を保つ上でもその効果は大きい」と話す。紅久では本社工場に4機、東工場に3機白鳥工場に2機の住友建機製マシンを導入している。これらはブルドーザー整備(本社=愛知県豊川市、森太郎社長)が販売からメンテナンスを手がけ ている。住友建機の初導入はおよそ 20年前だった。当時は他にはなかったロングアームでも標準タイプのマグネットが装着できるといった機能性や機械の堅牢さが紅久にマッチした。三浦社長はフットワークが軽いブルドー ザー整備のメンテナンスを高く評価する一方、性能が進化するがゆえに複雑化する機械については「住友建機に限らず、かつての堅牢さが失われているのではないか」と指摘する。 機能性、環境性、耐久性を併せ持つ機械が高度なリサイクルを追求する新時代のマシンとして求められている。
月間1万5000㌧の鉄スクラップを扱う 本社工場では4機の住友建機製マシンが稼働している。2023年に導入した SH330LC-7MHは工場内の主力機として活躍している。
住友建機リサイクル紀行 Vol.39はこちらから全国65ヶ所に拠点を展開しております。
お見積・資料請求等お問い合わせください。
ご意見やお問合せは入力フォームから
お気軽にお問い合わせください。
住友建機販売の製品・サービスに関する
よくあるご質問をまとめております。