住友建機リサイクル紀行_2024年発刊
住友建機製の金属リサイクル機械を導入頂いているお客様をご紹介いたします。
新潟県西部に位置する直江津は、706年に国府が置かれると越後政治の中心地として栄えたエリアだ。1971年に髙田市と合併したことで直江津市は上越市に変わったが、現在も町家形式の家並みなど古の風情を残している。新潟・長野・富山を結ぶ交通の拠点でもあり、周辺で発生したスクラップの多くはここを通過して需要家へと運ばれる。この地で金属リサイクル業を営む東興産業(本社=新潟県上越市、前山仁社長)を訪れた。
2018年設立の東興産業 は、4年余りの短期間で月間 8000㌧(鉄スクラップ6000㌧、非鉄スクラップ2000㌧)を取り扱う地元の有力企業へと急成長した。油圧シャーによる切断やガス切りなどでスクラップの加工を行う本社工場と、海上輸送拠点の直江津ヤードの2拠点を構えている。集荷するスクラップは域内で発生したものを中心に、直江津地区の交通網を生かして長野や富山など隣県からも購入している。東興産業の強みは地の利だけではない。常務取締役の五十嵐直人氏は同社の特徴を「色がある会社」と話す。その多彩な色は同社のヤードを見て伺うことができる。
組織や人に強みがあるように、機械やそれを提供するメーカー、営業担当にもそれぞれに強みがある。東興産業の五十嵐直人常務は、住友建機について「オペレーターが乗りたいと思う機械性能、作業効率、営業やサービススタッフの強さなど、全ての要素が揃っている」と評価する。住友建機との付き合いは、10年以上の歴史がある。前山社長が理事長を務める『長野県輸出スクラップ事業協同組合(長野県塩尻市)』が直江津港でスクラップの輸出事業を開始した2000年代後半に、荷役クレーンのメンテナンスやアタッチメントの販売を住友建機が担ったことがきっかけだった。2018年の東興産業設立後は、荷役機の導入が本格的に進み、現在は本社工場と直江津ヤードで計5機の住友建機製マシンが稼動している。2023年7月以降には新たに4機のマシン(SH250-7MPが2機、SH200LC-7EC、 SH135X-7)が加わる予定だ。
東興産業で稼動する住友建機製マシンは、非鉄スクラップを扱う小型のものから、油圧シャーにスクラップを投入する中型機、船積み用の大型機などラインアップも幅広い。
住友建機リサイクル紀行 Vol.31はこちらからおよそ3800万人が暮らす東京都市圏は、都市圏の人口数で世界一を誇るという。人口に比例してスクラップの発生・流通量は多いが、北関東地区と南関東地区では、発生するスクラップの量や種類、ヤードの運営スタイルも大きく異なる。1964年に東京都葛飾区で創業したカネテツ(本社=東京都足立区、阿部正二社長)は、本社の都市型ヤードと茨城県古河市にある郊外型ヤードの両方を運営している。
東京都の北東部、埼玉県と隣接する足立区入谷にカネテツは本社工場を構えている。 準工業地域でありながら都心部に近く、周辺に産業廃棄物などのリサイクル関連企業も多い。工場は敷地面積がおよそ2600㎡のコンパクトな都市型ヤードだ。周辺環境に配慮して、昨年には敷地のおよそ3分の1をカバーする半屋内型の建屋を設置した。 かつては自動車解体由来のスクラップを主力としていたが、油圧シャー(切断圧8000㌧)を導入した2000年代に加工処理の幅が拡大した。月間の鉄スクラップの取扱い量は約2500㌧。このほか、非鉄金属の加工や安定7品目を含む産業廃棄物の中間処理も行っている。
設備の故障により作業が滞ってしまう事態は、コンパクト型のヤードにとって致命的になる。阿部専務が住友建機を選ぶ理由として最初に取り上げたのも、マシンの耐久性だった。2005年に導入したSH240-3(油圧全旋回グラップル機)は、古河メタルリサイクルで今もなお現役機として稼動している。 効率的な作業を実現する上では、耐久性や燃費、パワーといった機能性に加えて、操作時のフィーリングも大事になるという。究極は自分の手を動かすように滑らかに動き、掴み、離す、いわば「人馬一体型」のマシンだ。阿部専務が住友建機の進化を最も感じたのが、2000年代後半に開発された5型のマシンだった。依頼を受けて初めて操作したマグネフォークタイプの試作機は、フィーリングが重く、作業性も心もとなかった。感じた点をダメ出しに近いかたちで包み隠さずに伝えたという。その後、改良されたテスト機は完璧に仕上がったものになっていた。機械の性能だけではなく、営業担当やサー ビス、開発が全体でユーザーの話にしっかりと耳を傾けていることを感じた。こうした姿勢も住友建機を支持する大きな理由になっている。
カネテツと古河メタルリサイクルではそれぞれ3機の住友建機製マシンを導入している。カネテツ本社で主力の2機はマグネフォークとグラップルタイプ。 今年7月にSH250-7MFとSH250-7MPへ更新する予定だ。
住友建機リサイクル紀行 Vol.32はこちらから21世紀の金属リサイクルは、中国の成長にともなう資源バブル、雑品事業の拡大、環境規制の強化、脱炭素対応と、グローバルな環境の変化に応じて 事業環境も大きく変化してきた。2005年設立の錦麒産業(本社=大阪府泉大津市)は、こうした変化を見据えながら積極的な投資を続け、いまや国内外にグループ事業所30拠点を構える総合リサイクル企業へと成長した。創業者でありグループを牽引する斉浩社長を訪れた
大阪エリアを中心に展開する錦麒産業は年間2万50000㌧の鉄・非鉄スクラップを主に海外ユーザーへ販売している。スクラップ事業のほか、 岸和田市内に取得した2万坪の用地では、機械類のメンテナンスや使用済みとなった重機類を集めて再整備を施す「機械整備事業」を本格化する計画で、敷地の工事が進んでいる。 2000年代後半からは、資本参加による企業のグループ化を進めてきた。現在は国内外に30 拠点を構え、年間取扱量は6万㌧、年商は500億円規模に達している。 2008年に長崎県五島列島の金属リサイクル企業をM&Aで取得したことを皮切りに、企業のグループ化が急速 に進んだ。2012年に鉄スクラップを主力に扱う福(千葉県市原市)を開設。2018年には福岡県内に4工場を持ち、基板や家電のリサイクルも展開する柴田産業(福岡県久留米市)をM&Aで取得するなど、地域や商材にとらわれない『総合リサイクル事業者』として業容を広げてきた。
事業の拡大とともに設備への投資を積極的に続けてきた錦麒産業は、建設機械を数多く保有している。住友建機製のマシンは位置情報機能(Gナビ)を搭載したもので41台、グループ企業を含めて48台を保有しており、今後も新規導入が進んでいく予定だ。 燃費や耐久性など機械の能力は運用コストを大きく左右するため、斉社長が求めるスペックは高いが、こうした厳しい要求に住友建機のマシンは応えてきた。また、経営者やオペレーターに寄り添い、抱負な知識で提案やケアを行う住友建機の営業も錦麒産業の「強み」になっている。 リサイクル業の変化を見据える斉社長は「荷役機械も変化が求められる」として、導入マシンが小型化していくことを予測している。 金属リサイクルの選別加工が細分化すれば、作業現場も細分化する可能性がある。こうした現場では小旋回型の75シリーズや120シリーズなどのニーズが高まると斉社長は見ている。埃の影響が大きい建屋内で作業する場合は、小型機においてもラジエーター内の粉塵を排出する逆転ファンのような機能への必要性が高まる可能性もある。時代の変化に合わせた未だ見ぬリサイクル用「応用機」の実現に向けて、斉社長が住友建機に寄せる期待は大きい。
錦麒産業では2023年に3台(SH200LC- 7EC※2台、SH330LC-7MH)を新規導入しており、住友建機の割合が拡大している。来年も3台(SH250-7MH※2台、SH330LC-7MP)を導入する。
住友建機リサイクル紀行 Vol.33はこちらから日本列島の南西端に位置し、かつては琉球と呼ばれる独立国家であった沖縄は、古くからアジア各国との交易が盛んに行われてきた地域だ。戦後はアメリカの統治下に置かれた。積み重ねてきた長い歴史の中で、独特の文化を育んでいる。県内には現在およそ147万人が居住。2022年10月の統計で本土復帰後、初めて人口減少に転じたものの、出生率は全国トップが続いている。今回のリサイクル紀行は、那覇・浦添エリアを中心に金属類の資源リサイクルを行う三和金属(本社=沖縄県浦添市、具志堅義社長)を訪れた。
創業者の具志堅善義氏によって1954年に誕生した三和金属は、来年に創業 70 周年を迎える県下有数の老舗リサイクル企業だ。那覇市を含む人口密集地の沖縄本島南部エリアに2つの工場を持ち、金属リサイクルと産業廃棄物処理事業を行っている。「安全」を経営理念の最重要項目に掲げて、「誠実」「スピード」 「創造」「情熱」「継続」の5つを社是とした事業展開を図っているという。
三和金属では2023年7月現在、浦添本社で1機、西原営業所で5機の住友建機製マシンを保有しており、工場や取り扱う品種など、それぞれの現場の用途に応じて稼働している。すでに4機(SH135X-7B・2機、SH200LC- 7LM、SH75X-7B)の新規導入が決まっており、工場内において住友建機の存在感が高まっている。 具志堅義社長は、タフな現場で安定したパフォーマンスを発揮する機械性能のほか、販売代理店の佐久本工機(本社=沖縄県浦添市、佐久本 嘉幸社長)が実施する充実したサポートに信頼を置く。 同社との付き合いは長く、 相互理解が深い。これが、運用における円滑なサポートを実現している。新規導入する住友建機の4機も、三和金属の事業スタイルに応じて最適な機械を選定した。 住友建機はこれからも、機械を通して両社の信頼関係を支えていく。
浦添本社の工場建屋内で稼働するSH135X-6ECは、都市型ヤードでの作業に適した省スペース・小旋回型のマシンだ。沖縄の機械の特徴である 「ジーバート塗装」を施しており、潮風から機械を守っている。
住友建機リサイクル紀行 Vol.34はこちらから潮汐干満差が日本第一の有明海は、長い歳月をかけて佐賀県南部の沖合に平野を形成し、肥沃な干潟と干拓によって一帯は穀物地帯として栄える地域 になった。県南西部に広がる白石平野は、杵島山の丘陵部から河川で運ばれる重粘土が堆積し、蓮根や玉ねぎの一大産地ともなっている。この豊かな地で発祥した江口金属(本社=佐賀県白石町、江口弘幸社長)は、独自のアイディアと技術で発展を遂げた金属リサイクルの有力事業者だ。稲穂が垂れはじめ、濃緑に色づいた大豆の葉が田畑に茂る中秋の候、同社の本社工場を訪れた。
鉄や非鉄金属の各種リサイクルを展開する江口金属は現 在、佐賀県内に4カ所、福岡県に1カ所の工場を構える。鉄を切断する油圧シャーを本社工場(切断圧1600㌧)と広川工場(1250㌧)に持つほか、三方締め300㌧ プレス機や銅線ナゲット機、タイヤ破砕機など、充実した加工設備を整えている。主力とする自動車の扱いは月間1000台以上。部品販売や原料へのリサイクル加工のほか、アルミ溶解・合金工場ではエンジン・ミッションから高純度のアルミインゴットを精製して販売している。
住友建機が提供するエレベーターキャブを搭載したSH120シリーズは、省スペース型でありながら高い位置からも作業が確認できる機能性を備えたマシンだ。このコンパクト機にエレキャブを搭載するきっかけは、江口社長のアイディアだった。今から20年ほど前、住友建機において世界一の金属リサイクル機をつくるプ ロジェクトが進行していた時期の事だ。製品化されたエレキャブ搭載のコンパクト機は全国に拡大。江口金属は住友建機製リサイクル機の礎を築いたパートナーといえる。現在、同社では15機の住友建機製マシンを保有している。30年にわたり数多くの重機を操作してきた馬渡本部長は住友建機のマシンについて「進化が目覚ましく、操縦室の密閉度や作業の操作性など、バランスが非常に良い」と語る。これからも様々なフィードバックを通して住友建機とのパートナー関係が続いていく。
2022年3月に4機のSH200LC-7を導入し、鉄スクラップ荷役や自動車解体の現場に投入している。江口金属のマシンはどれも綺麗に磨かれてお り、導入から20年近く経過したマシンも経年を感じさせない。
住友建機リサイクル紀行 Vol.35はこちらから全国65ヶ所に拠点を展開しております。
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