住友建機リサイクル紀行_2024年発刊
香美森林副組合長と社団法人日本林業経営者協会の役員も務められている溝渕会長。先代は戦前の高知県の林業先駆者ともいえる方で、それを受け継ぐ溝渕会長は3代目である。溝渕家が本格的に林業に携わるきっかけは、明治時代にさかのぼる。悲惨な日露戦争を経験するなかで「国の為になることや、雇用確保などを通じて地元に貢献したい」と考えた先代が拡大造林を始め、昭和26年から皆伐に着手。現在の保有林は約400haまでに至っている。林業一家に育った溝渕会長だが、大学卒業後は農協中央会に勤められていたという。その後、家業を継ぐこととなり、昭和35年頃に三重の諸戸林業会長から1ドル道路(1ドル=360円で1m造ることができるといわれる)を教えられ道造りに着手された。まず1年目の昭和43年に1200mの道を造り、現在では200m/haにまで拡大している。
その後、従業員の雇用と福利厚生を考え昭和42年に溝渕林業株式会社として法人化。会長のモットーは“歩く林業から走る林業”とのことで、昔は現場まで歩いて通っていたが、法人化を契機に会社がバイク購入を補助し、当時は珍しかったバイクで現場に行くようになったという。また、昭和40年代まではソリ(木馬)で木材を搬出していたが、作業道整備を進めることで幹線は現場までトラックが入り搬出で きるようになった。事業の機械化に対して、当時から積極的だったことが伺える。今後の林業については「100年後を見据え、道造り・集約化(団地化)・機械化を推進しながら林業経営を低コスト化していくことが重要」と熱く語る。木材価格は昭和55年をピークに下降し続けており、現在の補助金を受けないと経営が成り立たない実情は非常に情けないと嘆いておられた。
林業と環境を融合し、新たな世代へ
そんな溝渕林業で働く現場のチーフは「従業 員各人が役割に応じた個別目標を立て、立木 を傷つけることなく安全確保に留意して作業 することを心がけ、チームで段取りを立てて伐 倒から搬出まで無駄のないように作業してい ます」と語る。また、住友ショベルについては 「登坂力があり、狭い作業道でも斜面角度に 合わせて枝払い、測尺、玉切り作業をスムー ズに行えます」「KESLAは部品点数が少な いのも魅力」と高い評価をいただいた。また、 社長の窪田さんは全農出身のため、違う側面 からも林業経営を考えられているとのこと。「今後は『林業』と『環境』が一体となった集 約型林業が必要。そして、会長が築いた森と 道を守り、次世代に繋げていくことも重要な役 割と考えています」と語られた。さらに「水を制 する者は山を制す」と語る窪田社長。台風の通り道である高知県を知り尽くした、含蓄のある言葉であった。
引用: 森友vol.2(2010年9月発刊)
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